増築部分がある既存不適格建築物を用途変更した例です。今回は非常にレアなケースでしたので記事掲載することにしました。
・建物概要:鉄骨造+木造 1階、漬物工場 *増築部分あり 2階、住居
・敷地概要:第一種住居地域、準防火地域(法22条区域)
・用途変更の概要:2階部分=156㎡ 住居→寄宿舎
今回は二階のみを『寄宿舎』にするための改修工事が行われました。二階の面積は200㎡未満のため用途変更の確認申請手続きは不要でした。が、長崎市の場合は特殊建築物への用途変更の際、事前に建築指導課の法適合判定を受ける必要があります。
適法改修の概要は以下のとおりです。
・準耐火構造の間仕切りの新設→100㎡以内に区画 *中廊下の有効開口≧1,200
・既存サッシ→網入りガラス *延焼ライン
・内部建具→ドアクローザー *常閉
・24時間換気
・自動火災報知器(消防)消火器
が主な内容です。
今回のポイントは1階の増築部分です。この建物が新築された当初は法22条区域(原則:開口部等の防火設備の規制なし)だったのですが、後に1階部分の増築時には準防火地域に指定されていました。つまり、増築以外の既存部分にも準防火地域の規制がかかることになります。(法の遡及効力)
例えば、軒天の有効ボード等は不可になり、準防火仕様に変更する必要がありました。ところが、今回は1階の増築部分は解体してしまったため、既存部分の
工場部分、住居部分には準防火仕様は遡及しないという建築指導課の判断でした。
今回は1階の増築部分は確認申請が提出されていました(検査済証なし)が、これが『未確認の増築』の場合は有無を言わさず解体するしかありません。この既存建物に新築後に増築された部分があるか否かは、物件探しの段階では注意する点でもあります。



