2025年4月の建築基準法の大改正は建設業界とくに住宅業界にとっては、ある意味衝撃的な出来事でした。
これまで、二階建て木造住宅では構造計算や省エネ基準は任意的なもので強制ではありませんでした。
ところが、これまで4号特例と言われていた小規模木造住宅に関する構造計算の免除がほぼ撤廃され、省エネ基準についても適合判定が必要になりました。
さらには同年5月25日に施行された『盛土規制法』が既存宅地への確認申請手続きにブレーキとなるケースも出て来ました。
ここでは、実際にその実務を通して感じたことをお話しします。
建築計画の概要は以下の通りです。
[構造・規模] 木造二階建て 延べ床面積=137㎡
[敷地] 既存宅地:市街化調整区域、宅造等規制区域
当該敷地が市街化調整にあるため、都市計画法43条許可もしくは29条の開発許可が必要になります。ここでまず盛土規制法をクリアーするためには、敷地内の造成がない旨を証明しなけければならないのですが、今回は敷地の性質上、法面への土留めの擁壁を設置する必要がありました。
そのため、盛土規制法の協議のため県庁内に新設された『盛土対策室』へ、擁壁を1以下(基礎地盤部分を含めて)にすることで規定をクリアー、振興局での43条許可にて審査を進めることになり許可をいただきました。
建物の確認申請については、その規模から新構造規定と省エネ適合判定が必要な、いわゆる4号特例を撤廃された『新2号建築物』として審査を受けることになります。
構造計算といっても、木造二階建ての場合従来からある『壁量計算』に柱の引き抜き強さを判定する『N値計算』が主です。
1、柱の有効細長比
2、地震力の数値の厳格化
3、基礎配筋の根拠
がその主な改正点です。『柱の有効細長比』とは柱がどれくらい細長いかを表す指標です。今回は柱1本が負担する面積を算定するよう追加の指示がありました。
『地震力の数値の厳格化』はこれまで地震力の算定には屋根材で区分する『重い屋根』と『軽い屋根』から判定する方法から、屋根・外壁・断熱材などの総合的な重量で判定する方法に変換されました。
3の『基礎配筋の根拠』については性能保証会社から出されている『ベタ基礎配筋表』を提出しましたが、2026年4月からはこの配筋表を使用できなくなるため
・許容応力度計算
・配筋スパン表
などによる方法で対応する必要があります。
と、このような感じで審査は進みましたが、その中で感じたことは従来の『重い屋根』に対する判定つまり『瓦屋根』に対する規制が厳格化されているということです。
もう一つは『窓』に関してです。省エネ基準が一般住宅まで拡張されたことで、窓の小型化・フィックス化が進んでいることです。これは「居室の換気計算に影響が出てきている」と審査官からの意見がありました。




