これまで、検査済証のない既存不適格建築物について『12条5項の報告』を提出の後、増築・用途変更の確認申請が受理される状況でした。しかし、この手続きには非常に煩雑な作業と時間がかかったために、国土交通省では平成6年12月に『既存建築物の現況調査ガイドライン』『既存建築物に緩和措置に関する解説集』によってその指針が示されました。

12条5項の報告とは、検査済証のない建築物に対して法適合調査を実施し、特定行政庁・建築主事へ報告するものです。ここでいう「検査済証のない」とは完了検査を受けていない建物の場合に適用されます。

既存の建物を用途変更や増改築について『既存の建築物に関する制限の緩和』(法第86条の7)の適用を受ける場合、その建物が『既存不適格』であることを証明する必要があります。

『既存不適格』とは、既存の建物が法令の改正によって改正後の技術的基準に適合しなくなったとしても、その建物を違反建築物として扱わないこととするものです

つまり、「その建物を継続して使用できて、条件次第ではその建物の用途を変更して使用したり、増改築してもよい」ということになります。

詳しくは、平成26年7月に国土交通省から公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」をご覧ください。(国土交通省)

また、12条5項の報告でその建物が『既存不適格』であることが証明されても、緩和措置にあたらない規定に対しては、現行法に適合させるためにその部分を『是正』する必要があります。

このように現行の法令に適合させるために行う、是正工事は『適法改修』と呼ばれています。

つまり適法改修とは、12条5項の報告における法適合調査によって現行の建築基準法に合わなくなった部分を是正することで、現行法に適合させるための工事です。

(ただし、既存不適格部分を除く)この報告が受理されると、当該建築物は増築・用途変更への確認申請手続きができるようになります。

12条5項の報告は検査済証のない建物を救済するための措置ですから、『申請』ではなく『報告』です。ですからその後に確認申請が必要になることはことはいうまでもありません。

『既存建築物の現況調査ガイドライン』の解説動画