■テナントをさがす前に知っておきたいこと

店舗工事は内装工事が主体となるため、建築基準法(以下法令)のチェックはつい希薄になりがちです。

たとえば、お店の床面積が200㎡をこえる場合、これまでブティックなどに使われていたテナントを料理店に改装する場合は用途変更の手続きが必要になります。

こうした用途変更にはさまざまな手続きや法令をクリアーすることが条件になります。

場合によってはそのテナントだけでなく、その規制が建物全体に及ぶケースも少なくありません。

既存不適格と用途変更

『既存不適格』とはあまり聞き慣れない言葉ですね。これは、既存の建物が法令の改正によって改正後の技術的基準に適合しなくなったとしても、その建物を違反建築物として扱わないこととするものです。

既存の建物を用途変更や増改築について『既存の建築物に関する制限の緩和』(法第86条の7)の適用を受ける場合、その建物が『既存不適格』であることを証明する必要があります。

是正工事=適法改修

是正工事とは、既存不適格調書によって判明した法令に不適合な部分を是正する工事です。

一般にいうリフォームとは違い法令に適合させるための工事(適法改修)ですから、意匠的にはプラスにはならない面も多々あります。

ただし、12条5項の報告の受理の条件にはこの是正工事が伴うことがほとんどで、これには多額の費用が必要になる場合も少なくありません。

■国土交通省:既存不適格建築物の増築等について