HACCPにおける換気設備を考える前に、3つの換気方式について解説します。

第一種換気方式:給気と排気を機械設備でおこなう。第二種換気方式:給気は機械式で排気は自然排気でおこなう。第三種換気方式:給気は自然吸気で排気は機械換気でおこなう。

じつは、もうひとつ給気も排気も自然換気でおこなう自然換気方式がありますが、これは主に住宅等における換気方式になるため、ここでは省くことにします。

第一種換気方式は給気・排気とも機械式になるためダクト配管が必要になりコスト高です。そのためこの換気方式は劇場や映画館などで使用されています。

第二種換気方式は給気を機械式でおこない、排気は自然排気となります。そのため、この換気方式では室内は正圧状態となります。つまり、他室からの汚染された空気(じんあい等)を室内に入れたくない、たとえばクリーンルームなどで使われます。

最後に、第三種換気方式ですが、これがもっとも一般的ではないかとおもわれます。つまり、住宅の台所・浴室・トイレなどに換気扇を設置して、汚れた空気を強制的に外部に排出する方法です。この場合には自然給気口が必要になります。

このことをふまえた上で、HACCPにおける換気設備にはさらに
・製造場の水蒸気、熱気などの発生する場所への強制換気設備の設置。
・外気を取り込む給気口には、汚染された空気の流入を防ぐために、フィルター等を取付ける。
・吸気口、換気口に備える防虫ネットは格子幅1.5ミリ以下のものであること。
などの要件が設けられています。

HACCPシステムのゾーニング手法

新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して(日本建築学会・衛⽣⼯学会)

商業施設等における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について(厚生労働省)