耐震改修工事というと大掛かりなものを想像しがちですが、じつは一般的なリフォーム工事のなかでもできる耐震補強工事があります。また、それらを実行するためには、限られた予算のなかで無理のない耐震補強計画を立てることがポイントとなります。

1,壁補強は内壁補強が原則

耐力壁の不足を補うための壁補強工事は外壁を壊さず、内側から行うことでコストダウンにつながります、ただし、この場合は壁倍率の計算方法が変わってくるため注意が必要です。
また、最近では大臣認定品の内壁専用の壁補強材が販売されています。

エイム:かべつよし

2,金物補強で接合部を強化

リフォーム工事では内壁を壊すと筋交いがでてくる場合があります、その際には筋交い金物で補強すると評点も上がります。また、増築の際の桁ジョイント部分を短冊金物等で補強ことは必須となります。

接合金物:タナカ

 

3,基礎補強は後付け工法で

耐力壁の直下に基礎の欠損(床下換気口)などがある場合は、モルタル+鉄筋で補強します。
また、N値計算で15kn以上の引抜き力が発生する部分で基礎の補強が必要になる場合は、既存の基礎の外側に打ち増しする型であらたな基礎を打設します。

4,屋根の葺き替え時には軽量化を考える

既存の建物の屋根が瓦屋根の場合には、上部構造の軽量化を考慮してガルバリウム鋼板などの
金属屋根やコロニアル葺きに変更して屋根を軽量化します。その場合に注意が必要なのが、屋根の断熱性能や雨音等に対する防音措置です。

この対策としては屋根下地を二重にして通気層を設けたり、屋根断熱材を増量するなどの方法があります。