宅地造成等規制法」とは、がけ崩れや土砂災害等が特に懸念される区域内での宅地造成工事について、災害防止のために必要な規制を行うことを目的に1961年に制定された法律です。宅地造成というと一般的には山や畑を切り開いて土地を開発するというイメージがありますが、長崎市の場合でいうとすでに住宅地を形成しているところが、規制区域にしてされているところが多々あります。

いわゆる「宅造規制区域」がそれにあたります。この地域に指定されると50センチ以上の盛土、1メートル以上の切土が開発許可にあたるものとみなされます。ただ、その規制基準は地域によって差があるためそれぞれの行政窓口で確認する必要があります。

つぎに擁壁についてですが、切土や盛土によって生じた崖を保護するいわゆる土留めの役割をはたす場合など、その高さが2メートルを超えるものは工作物の許可が必要になります。

ただ、ここで問題になるのが規制区域に指定される前に築造された、いわゆる無申請・無許可のもの。これを既存不適格擁壁(もしくは違反擁壁)といいますが、これらの擁壁が敷地内にある場合には注意が必要です。

建築士が建築確認申請を提出する場合、擁壁の安全性を配置図等に明記する必要があります。いわゆる「安全上支障なし」という記載がないと許可はおりません。

じつはこの判断がむずかしく安易に既存擁壁の安全性が明記できないのです。

宅造規制法等区域(長崎市)

長崎県総合防災GIS(長崎県)