就労支援通所施設と生活支援をするための多機能事業所の移転に伴う用途変更をアシストさせていただきました。今回のケースは2階建ての建屋部分の1階部分のみを使用し、占有面積は駐車場を含めて113㎡のため、用途変更の確認申請の不要な200㎡未満の事例となります。

これまで、繰り返しお伝えしてきましたが、建築指導課等への申請手続きは不要でも、建築基準法及び消防法に適合させることを免除されるわけではありません。
とくに、このような児童福祉施設への用途変更の場合は、面積に関係なく是正工事が発生するケースがほとんどです。

今回の場合、用途変更前の建物は「診療所」で確認申請が提出されていたので、大規模な是正工事は必要ありませんでした。

ここで少し実務的なことになりますが、一連の手続きの流れをご説明します。

・振興局にて既存建築の確認申請状況の確認→概要書の閲覧
・消防署への用途変更計画の事前相談:診療所→社会福祉施設
・現地調査→図面作成(現況図・計画図・排煙チェック・消防設備図等)
・振興局への図面提出 *申請ではありません(任意です)
・消防署への図面提出→消防設備等の指導を受ける
・是正工事:誘導灯の更新・非常用の照明の新設
・消防署への使用開始届及び立会い検査→消防設備業者との連携

今回は消防設備の更新・増設で済んだために大きな是正工事は必要ありませんでしたが、現場によっては大掛かりな是正工事が必要になるケースがあります。

そこで重要なのが、事前調査の段階でどれくらいの是正工事が発生するかを正確につかむことです。そして、その内容をわかりやすく迅速にクライアントに伝えることが、その後の用途変更の可否につながっていきます。

■床面積を減床させて用途変更申請した通所施設の例

テナントビルで障害者の作業施設を開設(長与町)